住まいが紡ぐ人生の場面

その選択が 人生の彩りに

住まいに関する選択は、人生の転機と深く結びついています。
買うときも、売るときも、手放すときも——
その背景には、ことばにならない想いや記憶が宿っていて、
私はその選択に静かに寄り添うような関わり方を大切にしています。

まだ若い会社ではありますが、
私自身これまで20年近く不動産売買業務に携わり、
多くの方の「人生の節目」に立ち会ってきました。

ここでは、これまでの経験のなかで出会った印象に残っている“ひとこと”や“表情”、
心に残るいくつかのエピソードをご紹介したいと思います。

「ここでピアノひきたい」

初めてのマイホーム探し。ある物件のご案内中、
お子さまの「ここでピアノひきたい」の一言で空気がふっとやわらぎ、
お母さまの目が涙ぐまれた瞬間が印象に残っています。

その場が“自分たちの暮らし”になる予感——
その空間が、家族の未来を連れてくるような気がしたのかもしれません。
図面には書かれていない温度感に、住まい選びの本質を感じました。

「きれいに手放せて 気持ちが軽くなりました」

ご両親の住まいを売却されたある方が、最後にぽつりとそうおっしゃいました。
物件としての価値だけでなく、そこに積もった時間や記憶に向き合うことで、
“手放す”という選択が前向きなものになることを感じました。

不動産の仕事が、不動産という枠の外にある、気持ちの整理や、
心の区切りにも寄り添えることを実感しました。

「まだ売るかどうか決めてないけど、相談だけでもしてもいいですか?」

そんなふうに始まるご相談も、これまで少なくありません。
決断を急がせるのではなく、まだ選択の形になっていない“間”に そっと寄り添うこと。
その時間そのものが 安心に繋がるのだと教えていただきました。

不動産の手放し方に“正解”はなくても、
その方にとっての“ちょうどよさ”を一緒に探していく——
そんな関係のなかから、自然と答えが見えてくることもあります。

さいごに

数多くの売買のお手伝いをしてきた20年間——
そのなかで本当に印象に残っているのは、数字ではなく「人との時間」でした。

一つひとつのご相談には、それぞれの想いと背景があり、
その選択が、その方らしい人生の一場面として形づくられていく。
その先に浮かんだ笑顔が、私にとっての原動力になっています。

住まいに関するご相談には、“情報”だけでは語れないものがあります。
だからこそ、私はこれからも、
一緒に考えるスタイルを大切にしていきたいと思っています。

このページが、ほんの少しでもその想いの入り口になればうれしいです。